「タンパク質が足りないなら、プロテインをたくさん飲めばいいんじゃない?」
こう思っている方、最近とても多いですね。筋トレ民だけじゃなく、美容や健康目的の方も増えました。でも実はプロテイン飲料を単独で大量に飲むことにはいくつかの落とし穴があります。
ポイントは飲むタイミング、飲み方、自分に合ってるかどうか。
今日はポイントを抑えて、自分にあったプロテインの飲み方を探しましょう。
GI値とインスリン分泌指数——「血糖値」だけじゃない、もうひとつの指標
GI値ってなに?
GI値(グリセミック指数)は、食品を食べたあとに血糖値がどれくらい上がるかを示す指標です。白パンを100として、食品ごとの数値を比較します。
「低GIの食品を選びましょう」という話は、よく聞きますよね。
インスリンは血糖値だけで決まらない
インスリン分泌指数(Food Insulin Index / II)を知っていますか?
インスリン分泌指数は、血糖値の上昇ではなく、食後にインスリンがどれだけ分泌されるかを直接測定したものです。
驚くのが、糖質がほぼゼロなのに、インスリンが強く出る食品があるということ。その代表が、ホエイプロテインです。
| 食品 | インスリン分泌指数の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 白パン(基準) | 100 | 糖質の代表 |
| ホエイプロテイン | 〜90〜100 | 糖質ほぼゼロなのに! |
| 牛乳 | 〜90 | ホエイ含む |
| 卵 | 〜31 | |
| マグロ・鶏肉 | 低め | 他の成分が緩衝 |
なぜホエイだけこんなに強いの?
理由は大きく2つ。
① BCAA(分岐鎖アミノ酸)が豊富で、吸収が速い
ホエイはロイシン・イソロイシン・バリンを多く含み、消化吸収がとても速い。食後の血中アミノ酸が急激にスパイクすることで、膵臓のβ細胞を直接刺激してインスリンを分泌させます。
② インクレチン(GIP・GLP-1)の分泌を強く促す
消化管から出るインクレチンがインスリン分泌をさらに増やします。ホエイはこのインクレチン経路への刺激が他のタンパク質源より強いことがわかっています。
一方、肉・魚・卵は含まれる脂質・食物繊維・その他成分ががクッションとなり、アミノ酸の吸収速度が緩やかになるため、インスリンの急上昇が起きにくいのです。
※GI値もインスリン分泌指数も普遍的な値ではなく、個人差が大きいですから、リブレなどのCGMでの測定がおすすめです
プロテイン飲料より食材の方が優秀
「材料はある、でも作れない」問題
タンパク質は筋肉や酵素、ホルモンを作るための「材料」です。
食べたタンパク質は分解されて、自分用に作り変えます。この時大切なのがビタミン、ミネラルです。
いくら材料のタンパク質があってもビタミンやミネラルが足りないとちゃんと自分用のタンパク質に作り変えることができなのです。
| 栄養素 | タンパク質代謝での役割 | 不足すると |
|---|---|---|
| ビタミンB6 | アミノ基転移反応の補酵素(ALTそのものの補酵素) | アミノ酸が代謝できない・神経伝達物質が作れない |
| 亜鉛 | リボソーム機能・RNAポリメラーゼの補因子 | タンパク質合成が低下 |
| マグネシウム | リボソーム安定化・ATP産生・尿素回路 | 合成効率が落ちる・尿素回路が滞る |
| 鉄 | エネルギー産生・ヘム合成 | 細胞全体のエネルギー不足 |
プロテイン飲料だとビタミン、ミネラルが枯渇する
ホエイプロテインを大量に飲むと、大量のアミノ酸が一気に体内に入ってきます。それを代謝するためにB6・亜鉛・マグネシウムが大量に消費されます。でも、プロテイン飲料にはこれらがほとんど含まれていません。
そうすると
幸せホルモンのセロトニン・やる気のドーパミンも作れなくなる
タンパク合成の効率が悪い
余ったアミノ酸が肝臓や腎臓の負担になる
まさかの「プロテインを飲めば飲むほどビタミン、ミネラルが浪費して足りなくなる」→自分用のタンパク質が作れないという逆説が起きてしまいます。
食材はこんなに優秀

一方、肉・魚・卵・大豆などの自然食品には、タンパク質だけでなく代謝に必要なビタミン、ミネラルがセットで含まれています。
たとえば
- 牛赤身肉:タンパク質+鉄+亜鉛+B6
- サーモン:タンパク質+B6+B12+オメガ3
- 卵:タンパク質+ビオチン+コリン+ビタミンD
自然食品には「タンパク質を使いこなすための道具」が一緒に入っています。これが食材が優秀な理由。
精製されたプロテイン飲料との根本的な違いです。
特定アミノ酸の過剰による競合阻害も注意
少し前にマッチョマンがBCAAの摂りすぎでうつっぽくなる、なんて話題になっていましたよね。
ホエイはBCAAが非常に豊富ですが、BCAAの過剰摂取はトリプトファン・チロシンの脳への輸送を競合阻害することもあります。
つまりBCAAの過剰は、セロトニン・ドーパミンの合成が低下し、気分・睡眠・意欲に影響が出ることもあります。
摂りすぎキケンですね。
「ホエイ+インスリン→筋肉増加」の本当のメカニズムと、注意してほしい人
マッチョがプロテインに期待しているコト
筋トレ民がホエイプロテインを好む理由はこれ。
- ロイシンが筋タンパク質合成のスイッチを入れる
- インスリンが筋肉へのアミノ酸輸送を促進し、筋分解を抑制する
トレーニング直後であれば、ホエイプロテインは優秀ですね。
でも、注意が必要な人がいる
ホエイプロテインのインスリン分泌力の強さは、インスリンに関わる問題を抱えている方には逆に筋肉を減らすことにもなります。
◇メタボ・高インスリン血症の方の場合
インスリン抵抗性がある方は、もともとインスリンが大量に出続けている状態(高インスリン血症)です。そこにホエイプロテインでさらにインスリン分泌を追加刺激すると
膵臓への負担がさらに増えて、将来的には2型糖尿病のリスクになったり、脂肪肝があると脂肪合成がさらに増えるといったリスクも。
「プロテインを飲めば筋肉がついて痩せる」という単純な話にはならず、逆に体脂肪が増えることも・・・
◇痩せ型でもグリコーゲンが少ない方の場合
血液検査でALTが低い場合、肝グリコーゲン(肝臓のエネルギータンク)の不足サインです。そういった方がホエイプロテインをを大量に飲むと
- インスリン急上昇 → 結果、血糖が下がる
- 肝グリコーゲンで血糖値を元に戻そうとしても「在庫不足」で低血糖のまま
- コルチゾール・アドレナリンで無理やり血糖値を上げようとする → イライラ・グッタリ・フラフラになりやすい
頑張り屋さんの痩せ型の型にも逆効果になってしまいます。
プロテイン飲料は「使いどころ」が大事
プロテイン飲料が悪いわけではありません。トレーニング直後の筋合成促進、食事でタンパク質が十分に摂れないときの補助など、使いどころはあります。でもあくまでの「補助」というのが大切。
- ✅ タンパク質の代謝には補因子(B6・亜鉛・マグネシウム・鉄)がセットで必要
- ✅ 自然食品はその「一式セット」で届く
- ✅ ホエイは他のタンパク質源より突出してインスリン分泌が強い
- ✅ 高インスリン血症・肝グリコーゲン不足の方には逆効果のリスクがある
- ✅ 「プロテインだけ大量に飲む」はビタミン、ミネラルの枯渇を招く→エネルギー回路が回らない
プロテイン飲料に頼りすぎはnonnonですね(*^^*)
私はヘンププロテインを選んでます
私は朝一にヘンププロテイン+豆乳+米麹甘酒(大さじ1〜2杯)を組み合わせて飲んでいますよ。
ヘンププロテインのいいところ
ヘンププロテインは、食後血糖値とインスリン濃度を炭水化物コントロールより低下させます。血糖を安定させたい朝一の時間帯には、インスリン分泌が穏やかなヘンプの方が私の好みです。
朝の血糖値が一日の血糖値変動を決めますからね。大切です。
さらにヘンプはアルギニンが豊富で血流改善・NO(一酸化窒素)産生にも有利、GLP-1を上げる方向に働くので食欲コントロールにも良いです。
米麹甘酒を加えるのもgood👍️
朝一は一晩の絶食後で肝グリコーゲンが低下しています。エネルギータンクがエンプティーの状態。
肝グリコーゲンが不足するとコルチゾールやアドレナリンが分泌されて、エネルギー不安定・交感神経優位(緊張状態)につながってしまいますから、1日の穏やかなスタートのために糖質を補充します。
さらに米麹甘酒に含まれるビタミンB1・B2・B6はタンパク質の代謝に不可欠。甘酒を加えることで「タンパク質の材料」と「代謝の道具」も同時にとれます。
ただ、ヘンププロテインは植物の抗栄養素を含んでいますから、普段の食事で動物性タンパクをしっかり食べておくのも大切。ビタミンCと一緒に飲んだり、しばらくしてから朝食を食べるっていうのも抑えておきたいところです。
プロテインはいろんな種類がありますよね。
自分のライフスタイル、体調に合ったものを選ぶとちゃんと良い働きをしてくれます。
プロテインに頼りすぎないってことも大切ですよ。

